2023/07/14
【広報メディアマネージャー Yuki】今日はメディアに大事な「間」についてお話しします。
こんにちは!
ワーホリキャリア.comの広報メディアマネージャーのYukiです。
前回のブログをお読み頂きありがとうございます。初回ということもありまして、先日は自己紹介をさせていただきましたが、これからはメディアマネージャーとしてYouTubeビデオの編集や、撮影秘話、アルゴリズム奮闘記、などブログを通してシェアしていきたいと思います。
早速ですが、本日お話ししたいのは【間】についてです。
1. 「間」とは?
2. メディアでの「間」
3. 「間」の将来
1. 間とは?
Googleなどの検索エンジンに「間」と打ち込むと「間の取り方」「間の感覚」「間抜け」「間の悪い人」といった慣用句が複数出てきます。私たちにとって「間」とはなんなのでしょうか?
辞書では以下の意味が出てきます:
・連続している事と事の間の時間。ひま。いとま。「食事をするーもない」
・話の中に適当にとる無言の時間。「話はーが大切だ」
・邦楽、舞踊、演劇で、拍と拍、動作と動作、セリフとセリフなどの間の時間的間隔。転じて、リズムやテンポの意に用いる。「―をとる」「―を外す」
・ちょうど良い折。しおどき。ころあい。機会。「―を見計らう」
・その場の様子。その場のぐあい。
英語で言えばtiming/poseと翻訳されるかもしれませんが、英語のtiming/poseが私たち日本人の考える「間」と同等なものだとは思えません。上記のように「間」にまつわる慣用句を多く持つ日本人は、「間」と密接に関係し、特別な思いを持っているのだと思わざるを得ないのです。
そういえば、演劇でも「暗転」「幕開け」「幕間(まくあい)」と呼ばれるものがあり、歌舞伎や能の時代から我々は「間」を持ってして見えない区切りを見たいのかもしれません。また、日本人は俳句や短歌にも5・7・5・7・7の拍ごとに心地いい「間」を見出しますが、英語を長らく勉強してきた私は英語のセンテンスが「間」を重視する言語というよりかはよりrhyme(韻)を重視する言語なのだという結論に至りました。
私はこの「間」を幼少の頃から勝手に取り入れる子どもでした。美術に興味がありまして、小学3年生で絵画教室に通わせてもらいました。教室の先生は「Yukiちゃんの絵は隙間の取り方が上手なの」と描いた絵をうちの母親に見せながら褒めてくれましたが、母は「はあ、そうですか」と理解できない様子だったのを覚えています。
また、幼少の時から父の従兄弟である家庭教師と週2回授業をしていましたが、その家庭教師の喋り方に上手な「間」を感覚的に感じては、真似していたように思います。
更には、亡き父はコマーシャルのプロデューサーをしていましたから、リビングで他社のCMを見た日には酷評が大変でした。「なんでこの役者、もう1テンポ遅くして驚かないんだよ!次のセリフが分かって演じてるのがモロ見えだろ!」や「音声の“間”が遅いな・・・・」という言葉は日常茶飯事で、私はまさにその酷評を聞いて育ったのです。
「間」とは日本人の我々には深く根付く区切り目であり、その感覚を無意識にも意識的にも求めているものだと言えると思います。
2. メディアでの「間」
「間」が日本人にとって大事な区切りであり、またそれは無意識にも意識的にも求められていると前段落でお伝えしました。ですから、私はその重要さをきちんと理解し、ビデオ制作などメディアマネージャーとしてその知識を活用することにしています。
まずはビデオでしゃべる時ですが、同じテンポで話さないことが大事な「間」を活かすコツとなります。単調な喋りは視聴者を飽きさせるので、文章が長くなった段階で「間」を作り、視聴者の意識を戻すように心がけています。YouTubeのようなビデオは相手が目の前にいない環境なので、表情にあわせながら話し方を調節することができません。そこで私はミラーリングのようにして目の前に視聴者として話を聞く自分を作りだし、話について来ているだろうかと常に考えるようにしています。
また、この「間」はビデオ編集にももちろん活きてくるものです。編集は二つの場面を好き勝手繋ぎ合わせることができるのがいいところですが、別々の二つの場面を繋ぐ時には注意が必要です。ですから私は場面と場面の変わり目には0.5秒の白無地の画像を入れるようにしています。もしもその「間」がなければ、視聴者が情報を吸収する余裕がなく息苦しくなってしまうことでしょう。たった0.5秒の「間」が視聴者に自信を与えたり、興味を呼び戻させたりするのです。
たった刹那の「間」はこのメディアというお仕事で黒子のようにして活躍しているのです。
3. 「間」の将来
このようにして、前段落では「間」は日本人に意識的にも無意識にも求められ、メディア制作にも一役を買っていることをお話ししましたが、最後に「間」の将来について話しておこうと思います。
私のメディア制作には一役を買っている「間」ですが、もしかしたらこの感覚もいつかは「時代遅れ」になる日が来るのかもしれないと思っています。実は「間」というのは我慢を強いられる状況に適しているのに気づきましたでしょうか。「間」は離脱できないプレッシャーがかかる環境から視聴者や観客に逃がしてやるのに向いていますが、この令和の時代はどうでしょうか。TikTokやYouTubeのショート動画は詰まらなければ冒頭2秒で下にスワイプされてしまいます。次々と違う制作者が作った動画に飛び移る若者たちは、「間」にとらわれることなく、彼らこそ、「詰まらなかったら我慢しない」といった具合で離脱を決めているのです。
このようにして「間」は将来薄れゆき、むしろ如何にして「間」をなくして短い時間に詰めていくことに競争が強いられるのだろうと感じているのです。
「間」は人とともに作られ、人とともに消えゆくものかもしれません。
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